無言の思慕

S君の自死について、私自身はまだ戸惑いの中にいる。

それはきっと、そうしていたいからだと思う。

知ること、考えること、動くことを 放棄したくないが、

何が正解かは、現時点で 見当もつかない。暗中模索。


彼と仕事をしていた人達と話す中で、

それぞれが受け止め 動いている現実の中に、

彼に対する無言の思慕を感じて 目頭が熱くなる。

彼女と話して、初めて彼のことで涙が出た。


誰かが誰かを思う気持ちが きちんと機能していることが確認できて 安心したのかもしれない。

客観的に見たら、どの人の気持ちも少しずつわかるような気がするけれど、

中の人達にとっては、きっと おそらく本当に、泥を食うような日々が今だ。


重過ぎて人には話せないと思うような大きな何かを背負った時、

私たちは どうすれば それを忘れずに、でも 過去に引きずられずにいられるんだろう。

やっぱり 喋ったり、表現したり、受け止めてもらったり、そういうことが必要な気がする。


涙も出ない位の悲しさだからこそ、

次の行動に移さなければ すべてが無意味になってしまう。

次の一歩を踏み出そうとしている彼女達の背中を見守りたい。

別れを 意義あるものにしようとしている流れをそっと応援したい。


忘れたくない誰かが、不確定な未来に ”次なる道” をつけてくれるんだ。

不器用なりに自由を求めてあがいてる女の日記

明るく、おかしく、逞しく。